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NRD545のオーディオ系の調整をしてみましたところ効果がありましたのでご参考まで報告いたします。
対策は主に3点あり、簡単に対策出来ます。
元に戻すことも簡単です。

是非、休日にお試しください。


■フィルターの設定変更

まずフィルターの設定ユーザー定義(32)をLOOSEにします。
そうすると、AMモードでの不自然な音がかなり軽減されました。

それでもAR7030+のセラミックフィルターよりも切れは良いようです。
よって1kHzほどAR7030+より広めの帯域(SSBで2.1, 2.7, 4.1kHz
AMで 2.7, 4.1, 5.6kHz)にそれぞれWIDE,INTER,NARROWフィルターの
帯域を設定したところ、もともと音の良いAR7030+並みになりました。

さらに、気になるフェーディング時のAMモードでの歪みが無くなりました。


■防振対策

ひ弱な基板上のAF段のコンデンサーを防振する必要があります。

ノイズ発生源はDSP CPUです。

このDSPは非常に多くのノイズを発生させます。

残念なことに、NRD545では、DSPとAF段のコンデンサーが近接しております。

DSPの+電流側に大きなノイズ成分が流れると、回路のインダクタンス成分(距離的に
DSPとAF段が近いと、それだけでインダクタンス成分になり得ます)と、AF段の比較的
大きなコンデンサーにより、+側にリップル電圧(ノイズ電流がグラウンドまでに戻る
までに発生する電圧)を発生させ、これがー側に流れ込むことで、回路上にノイズ成分を作り出します。

このときの機序は、

1.コンデンサーは、DC電圧上のノイズに対し、膨張と収縮を繰り返す。
2.コンデンサーの変位が実装基板に伝達され、実装基板がその厚み方向に振動。
3.結果としてノイズ成分となる電圧(電流)を発生させる電池となる。
(振動周波数が可聴周波数(50Hz~20kHz)にかかる場合、「ジー」という濁った低い音に
 変換され、振動音として聞こえることもあります。)
です。

よってこれを抑えるには、.灰鵐妊鵐機爾吠理的に制振する。▲離ぅ裟分がAF段に入らない
ようにする。
ということになります。
ここでは,諒理的に制振します。

直ぐに元に戻せるようにプチルゴムテープを使って、マザーボード上のCPU電源系と
オーディオ系のコンデンサーの廻りに巻きます。

ここまでで、
今、NHKのクラシック番組で評価したところ、AR7030+と聞き分け出来ないほど
音質が改善していました。

この方法は、オカルトぽいといわれることもありますが、これは村田製作所のHPにも
記載されております。

これでも分かりにくい方は、コンデンサーマイクの原理を考えると分かるかと思います。
コンデンサーが振動を受けると、音にもやはり影響が出てくる、だから防振するものと
理解すればよいと思います。

防振方法ですが、これはコンデンサーの共振鳴きを止めるためのものですので、
音を確認しながら適切な場所に粘着テープを使って対策します。

オーディオの世界では、コンデンサーのインシュレーションというのですが、このように
アンプの内部、特にコンデンサー回りをゴム等で固めることが高音質化で
良く使われます。

どこにどのようにインシュレーターを設置するのかは、文書で説明するのは
難しいのですが、コンデンサーと躯体の間を出来るだけクッションするようなイメージです。

大きなコンデンサーには鉢巻を巻きます。(2枚目の写真)これはコンデンサーの
頭のところに、ゴムを巻いて、締め付ける方法です。オーディオマニアの
世界では鉢巻というのですが、コンデンサーが大きいので電気信号で共鳴しないように
する方法です。

詳しくは写真をご覧ください。



■AFアンプをデジタルノイズからシールディング

DSPノイズがAFアンプに干渉してノイジーにならないようにシールドする
ことが大切です。
上記の△梁弍??砲覆蠅泙后

AFアンプは、TDA2003Vで、これがNRD545のDSP CPU(ADSP-21062KS-160 米国アナログデバイセズ社製、32ビット高性能DSP SHARC 定価$145.52 )前のマザーボード上にありますが、もともとカーオーディオ用のAFアンプです。データシートは下記にあります。これが音質を決める最大のファクターになっています。

http://www.datasheetcatalog.org/datasheet2/8/0iyjghfjy8fhfz8jkwkgedw8qsky.pdf

仕様を見る限りでは、かなり高音質なもので、カーオーディオ(10W)用のアンプのようです。(私の持っているNRD545は最終ロットです)

ここは、オーディオの知識の有る方でしたら本来ならば、相当シールドしてやらないと
いけないはずですが、なぜか、DSP CPUからの大量のデジタルノイズの廻り込みがAFアンプに入りやすい場所に、全くなんらシールドをせずに設置されています。直線距離は8cm程度しかありません。

ラジオを近づけるとDSP CPUからは大量のデジタルノイズが出ておりますので、このような短距離で
まったくシールドをしないでAFアンプを実装すると、ノイズがAFアンプに確実に回り込んで、
音質は確実に劣化します。(上記△慮桐?如

今までのJRCのリグを見ていても、AFアンプは、たとえばJST135などでは、裏面のシールドケースの裏側に有り、かなりDDSなどのCPU等から意識的に離れた場所に実装されていたのですが、この回路を開発した
方は、あまりアナログ回路のデリケートな部分、特にノイズ対策を理解していないようです。

そこで、銅箔でAFアンプ回りがすっぽり入るシールドボックスを作ります。
(キャラメルの箱の要領ではさみで切って造ります。)

あとは痕の残らないガムテープでTDA2003V廻りのシールドボックスを本体に貼り付けます。

アンプの回りにデジタルノイズが入らないようにすることが重要なので、ここでは
電気的なシールドではなく、CPU回りのコモンモード系電磁波が入ることを抑制するための
シールドとして、逆にアースからシールドケースを浮かせます。

シールドケースをアースに接続すると、逆にCPU回りのコモンモード系電磁波を再送信する
アンテナ化してしまいます。電磁波がここでは対策の対象なのです。よって防磁対策と
言ったほうがよいかもしれませんね。

こういうのはフローティングともいいます。
昔は、伝送系なんかのノイズ対策でも、よくOMから、伝送系のシールティングはフローティング
しないと意味ないよと怒られたものです。(アースに落としたら、結局同軸と同じでコモンモードの
除去にもならない)



★変化★
さて、音はどうでしょうか。

凄い変化です。低音は締まり、変なヒスノイズは全く消え、なんという美しい音でしょうか。これが本来のNRD545のDSPの性能なのです。
感動の音です。

以上、JRCのNRD545については、
オーディオと同じで、有る程度コンデンサーに鉢巻をするとか、インシュレーションが
必要なようです。
簡単な対策ですが、
以上ご報告いたします。

その他参考資料:

●NRD DSPのデータシート
(データシートは、http://www.analog.com/static/imported-files/data_sheets/ADSP-21060_L_21062_L_21060C_LC.pdf

●高速プリント回路基板レイアウトの実務ガイド
http://www.analog.com/library/analogDialogue/japan/archives/39-09/layout.html

●オーディオ改善ノウハウ(制振・電磁シールド)
http://www.onken-audio.co.jp/RC1090AO.htm

●村田製作所
(高速小型DSPの電源ラインノイズの対策)
http://www.murata.co.jp/emc/knowhow/pdfs/dsp.pdf