ΔLoop10等の広帯域非同調ループアンテナでは、近隣に強力なFM局がある場合には
混変調を生じることがあります。
これを防ぐために効果的な、FM Trap Filterを追加することにいたしました。
今回追加する回路図は下のようになっています。 水魚堂の回路図エディタにて作成
Loop1・2がループエレメントとの接続箇所になります。(ANT Input1・2が基板側のアンテナ入力との接続箇所)
パーツ表
R1 220Ω
R2 220Ω
C1 100pF
C2 100pF
L1 0.27μH
L2 0.27μH
(補足)
L1~2 は1μH以上しか扱っていないパーツ店が多いため、入手困難ですが、
2016年2月現在 東京のマルツ(通販)にて面実装パーツで入手可能です。
で検索したところ、chip1stop で通販可能のようです。
(アキシャルリード型)
こちらの方が実装しやすいと思いますが、10個以上発注で1200円程度しますの
で値が張ります。
(まとめ)
この回路は大体60MHz~100MHzで10~15dBほどの減衰が得られます。
これをΔLoop10のアンテナ入力部に挿入することでFM帯域の強力な信号がΔLoop10に
入って混変調をきたすことを防ぎます。
(実装)
実装はアンテナ入力との接続部に写真のように部品を
最短で配線するようにします。(ただしコイルをネジに近付けないこと。)
(効果)
私のところでは、FM(81.3MHz J-Wave)により、中波帯域(1100~1300kHz)にお化けが発生していました。※注
しかし対策後お化けは発生しなくなりました。
この対策はFM強電界で有効であることが確認出来ました。
対策後、顕著な帯域暴れ等も発生していませんでした。
ハイバンドの感度も保たれていました。
なお、FM帯域については、聞いてみたところ感度がそれほど低下したとまでは明確に感じ
ることが出来ませんでした。
実用上の問題は無いと言っていいでしょう。
※注
NHKとJ―WAVEは4月23日にFMラジオ電波の送信所を東京タワーから東京スカイツリーに切り替えました。そのため東京スカイツリーに近接する当地でFM波の混変調が生じた模様です。