マンションの建築後10年が経過し、今後、マンションの長期修繕計画実施(足場の設営等)によりベランダに設置しているアマチュア無線用のアンテナであるAMA10D(磁界型アンテナ 直径1m)撤去が求められる可能性がある為、事前にアンテナを下ろしやすくするようにと、アンテナの設置場所を手すりの外側から内側に移動させました。
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移動にはかなり手こずり、大変な力仕事となりましたが、なんとか移動に成功しました。
 
まずアンテナマスト(グラス・ファイバー工研のスーパーフィールドポール)が長年の風雨で塗装面が剥落してしまい、ガラス繊維でささくれだっていたので、雑巾で擦って、ある程度ガラス繊維を落としました。
 
(強度についてグラス・ファイバー工研に問い合わせしたところ、ささくれだっていても加水分解等はせず強度に問題ないとのことだったため、交換はしませんでした。
最初ゴム手袋をしていたのですが、素手で作業しないと、危険な場所での作業で重心移動を上手く受け止められないことから、素手で作業しました。ただ、ある程度ガラス繊維を落としたとはいえ、それでも手にガラス繊維が多少突き刺さり、痛みに耐えながらの作業となりました。)

その後、アンテナの接続ケーブル(同軸やバリコンのコントローラー用のコード)を外し、外側方向に向けていたバリコンの入った容器をアンテナを回転させベランダの内側に変更して、重心がベランダの内側になるようにしました。

そして、アンテナ取り付け金具からアンテナマストを取り外すため、手すりの向こう側に突き出た手すり挟み込み型のアンテナ取り付け金具との固定用の螺子を外そうとしたのですが、長年放置していたことから錆ついていて、なかなかボルトが回りませんでした、特に一番上の螺子が強固に錆ついていて、KURE5-56を使うなどもしていたのですが、ついには螺子山がもぎ取れてしまいました。
幸いすでに螺子はかなり回しきった段階だったため、アンテナ・アンテナマスト取り外しは出来ましたが、もし螺子を回し切っていないところだとアンテナ・アンテナマストが取り外し出来なくなっていた可能性があり、冷や汗が流れました。

そこからは渾身の力で、アンテナ取り付け金具の上方向にアンテナ・アンテナマストを両手で持ち上げてアンテナを金具からゆっくりと外しました。その際、万一手が滑っても、アンテナが階下に落ちないようにアンテナには強固な縄をかけておきました。アンテナマストの一番下がアンテナ金具から外れたときが一番緊張し、力が必要でした。
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なんとかアンテナをアンテナ設置金具から外し、ベランダ内に取り込んだ後、ベランダの外に向いていたアンテナ設置金具をベランダの内向きに変更して、アンテナを再設置しました。これまでの設置場所よりかなりベランダの内寄りにアンテナ設置場所が移動しました。
 
アンテナを手すりの内側にしたことで、建物からの影響が強まった為か、SWRは7MHz帯(40mバンド)、21MHz帯(15mバンド)とも約2と、これまでのSWR 1(40mバンド)、2.5(15mバンド)よりも、総じてSWRが上昇してしまい、40mバンドの輻射効率は送信出力の99%から65%まで低下してしまいました。ただリグ(JST245)内蔵のオートアンテナチューナーのおかげで送信時の保護回路作動は避ける事が出来て、送信出力はそれほど低下しないままで済みました。
 
もう少しアンテナの高さを下げて建物との距離を離せば、まだSWRは多少は下がると思いますが、さほど輻射電力に差が生じないことや、もう一度アンテナを取り外すのも面倒ですので、そのままにすることにしました。

これで長期修繕の際に、アンテナ撤去を申し渡されても容易に取り外しが可能になったと思います。
 

思えば10年前に、まだ今より体力もあったころに楽々と設置したものの、今ではとてももう一度同じ場所には設置出来そうにない程ベランダから遠く離れたところに設置していた為、金具からアンテナを取り外すのは困難を極め、数秒ごとに息をつきながらの取り外しとなりました。  
本当に10年はアッという間に過ぎるものだなあと感じました。つい先日取り付けしたと思ったのですが、アンテナは着実に経年劣化していました。とくに螺子山が取れたことなどから、定期的にアンテナのボルトに油を差す等のメンテナンスが必要と感じました。今後、定期的なメンテナンスや、体力に応じた設置方法の見直しが大きな課題になりそうです。

(注意)
アンテナ設置は各自の責任でお願いします。落下事故等については、当方では責任を負いかねます