今日オークションで落札したMurata CFL455Hが届きました。
これはメタルケースのセラミックフィルターです。
これまでJST-135のAM inter フィルターにプラスチックケースの
フィルターを使っていましたが、早速交換しました。
実装は次のようにしました。
■実装写真■
このフィルターの特性は次のようになっています。
参考までR-1000のAMナロー(デフォルト)に搭載されている
CFR455HとJST-135で交換前に使っていたMurata CFW455KJFA-B0
(以下CFW455KJと略)と比較してみます。
減衰帯域 入出力インピーダンス
CFR455H ±3kHz(6dB) ±7.5kHz(70dB) 2000Ω 11共振子
CFL455H ±3kHz(6dB) ±7.5kHz(70dB) 1500Ω 9共振子
CFW455KJ ±2kHz(6dB) ±7.5kHz(50dB以内) 2000Ω 6共振子
上記を見ると今付けているCFW455KJよりもCFL455Hは±7.5kHz
での減衰量が20dB以上も大きく、スカート特性が良い
(サイドの混信の切れがいい)ことが分かります。
一方で6dB減衰幅の帯域がCFW455KJより±1kHz広いので
音が良くなると思われます。共振子の数はCFR455Hの11共振子には
及びませんがCFW455KJより多く性能が高いと思います。
特性的にはR-1000のAMナロー(デフォルト)に等しい(但し入出力
インピーダンスが異なる)ものです。
メーカーのCFL455HはCFR455Hの互換品とMurataのカタログに記載が
ありますが入出力インピーダンスが異なる点が気になります。
回路の入出力インピーダンスは2000Ωでインピーダンスマッチング
が取られていたので、入出力インピーダンスが500Ω(+30%)高い
状況です。
残念ながらこれに対する対応策が分からないのでミスマッチのまま
特に対策をしないで実装しました。
これについては村田製作所のホームページに次のような記載が
ありました。
「入出力インピーダンスを規格値より小さくすると中心周波数は
低い方にずれてリップルが増大します。また入出力インピーダンスを
規格値より大きくすると、中心周波数は高い方へとずれリップルが
増大します。しかしミスマッチングによる特性変化はそれほど大きい
ものではなく機種の性能や用途によって幾分異なりますが、
インピーダンスマッチングを 規格値の±50%の値に入れていただ
ければ実使用上は問題はありません。」
(出所 CERAMIC FILTERS Application Manual 2013.8.20)
一応30%の乖離なので問題は無しとします。
早速聴いてみました。
前回と同様にチェック用にはほぼ一日中一定の強さで入感する
日経ラジオ社短波放送第2放送(3945kHz)をSG替わりに使い
ました。
信号強度の比較にはSメーターを使うよりも耳Sを使ったほうが
分かりやすいので前回と同じように次の基準で確認しました。
(他機種との比較ではほぼ同時に聞き比べて同じ受信状況に
なるようにしてデータを取っていますので、かなり定量的だと
思います)
①音飛びが始まる中心周波数からの乖離(バタバタし始めるところ)
②ほぼ聞こえなくなる周波数からの乖離(ほとんど音がしない)
結果は次の通りでした。
JST-135
交換前のセラミックフィルター ①±4kHz ②±6.7kHz
交換後のセラミックフィルター ①±5.2kHz ②±8.9kHz
メカニカルフィルター ①±1.5kHz ②±4.3kHz
NRD-545
WIDE (BWC 5.6kHz) ①±3kHz ②±6.2kHz
Narrow(BWC 2.7kHz) ①±1.3kHz ②±4kHz
R-1000
Narrow (Murata CFR455H) ①±4~5kHz ②±6~7kHz
結論としては①②とも増大しました。とりあえず前のフィルターで受信を楽しみ
たいと思います。
プラスチックケースのフィルターで6共振子でも帯域幅が±2kHz(6dB)という
こともあり性能は良いようです。