BCL日記

釣りのように、「遠距離放送局」を「アンテナ」と「ラジオ」で釣り上げる趣味がBCLです。BCL is a hobby where you "fish" for "distant broadcasting stations" with "antenna" and "radio," much like fishing. (G.Masuo)

小学生の時、BCLに目覚め、高校生の時、受験でいったんBCLを中断しましたが、2004年に復活し、それ以来アンテナ自作やリグの収集、ペディションで中南米DX等をしました。マンションの中層階で、周りを多くの建物に囲まれてBCLをやっています。10MHz以下でローカルノイズが非常に多く、基本的にDXには不向きの環境ですが、KiwiSDRの力を借りて受信を楽しんでいます。ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。(G. Masuo)
I am doing BCL in a middle-floor apartment surrounded by many buildings. There is a lot of local noise below 10MHz, and it's generally not a suitable environment for DX. However, I'm enjoying reception with the help of KiwiSDR.(G. Masuo)

タグ:スイッチング式ACアダプターノイズ

 1. YouLoop +コモンモード
 フィルターをアンテナに追加



・YouLoop自体がノイズキャンセルの構造を持つ


 左右対称のエレメントで外来のコモンモード

 ノイズの流入を打ち消し合う構造。


・追加したコモンモードフィルターでインバーターノイズ減らし


 YouLoopのトランス部にコモンモードフィルターを接続して、近隣からのインバーターノイズを除去。



•  感度は低いがノイズもかなり少ないのでプリアンプを付ければSN比の高いアンテナになる。


 YouLoopのノイズはラジオ固有のノイズよりも大幅に低いので、プリアンプで信号強度を持ち上げるとラジオから聞こえるノイズはラジオの固有ノイズ以下のままとなり、信号強度は大きく増えるので聴感上のSN比は改善する。


   YouLoopの構造

   メビウスの輪のような構造
   左右のエレメントが逆転対称となり      ノイズを抑制している

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 ・コモンモードノイズとは

  回路上正(プラス)と負(マイナス)を信号が
  回転して流れるのが通常の電流の流れ。

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 コモンモードノイズはプラス側とマイナス側を 同方向で流れる(大地と容量結合)。
 離れた場所、別の機種まで伝わりやすい。
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 コモンモードチョークフィルター等を使い、
 コモンモードノイズを熱に転換する事で
 コモンモードノイズを減らせる。

2.近隣交渉


• 上階のプラズマテレビの強烈なノイズで

   受信不可能に。


  ノイズ源を確定させる事が特に大事。

  ポータブルラジオがノイズ源探索に大活躍。

  ノイズ源は灯台元暗し、にご注意。

  ノイズがあまりにも強いと、遠くに行っても

  ノイズが変わらないのでノイズ源探知が

  難しくなる。


• 粘り強く上階と交渉


  最初は菓子折りを持って訪問し、自分が

  ラジオ受信を趣味にしていること、

  雑音で受信が出来ないこと、原因を調べて

  いる事を説明し、来訪可能な日時を教えて

  もらう。


  訪問したら家電を順次付けてもらい、

  ポータブルラジオでノイズを確認して

  もらう。プラズマテレビを付けたら

  強烈なノイズが出て、上階の住人も

  状況を理解。


  原因の家電が分かったら、メーカーに連絡し

  て調査に来てもらう


• テレビメーカーに状況を確認してもらう


  プラズマテレビをつけたら妨害が

  生じる事をメーカーにも確かめてもらう。

  

• 最終的には上階に液晶テレビに買い替えて

  もらい解決

 

  当初は費用負担は当方で行うつもりだったが

  テレビメーカーがプラズマテレビを上階の

  購入価格で買い戻してくれた。


  その代金で液晶テレビに買い替えてもらう。


  ノイズの無いバンドが戻った。


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3.エアコンをOFF(インバーターノイズ)


• 拙宅ではアンテナとエアコンの室外機が近接


  パナソニックの室外機からローバンドに

  インバーターノイズが流入。


  アンテナから室外機が1.5mも離れていない

  ので正直これは仕方がない。


  メーカーもアンテナから2m以上離す必要があ

  ることを取扱説明書に書いている。


  しかしベランダが狭く、これ以上アンテナを 離せない。


  メーカーは高周波アース工事を推奨している

  が、未だ未実施。カウンターポイズをベラン

  ダ床面に敷設する事の理解が家人から得られ

  ない。


  同じ距離なのに東芝の室外機はノイズ無し。

  メーカーによりインバーターノイズの当たり

  外れがあり。


  過去の経験でダイキンとパナはダメみたい。

  東芝は大丈夫。日立、シャープは不明。


• シャックのエアコンを付けるとノイズフロアが増大


  3MHz帯でS=3だったノイズフロアがS=7

       ぐらいに増える。

  ラジオ日経がノイジーになる。

  アマチュア無線がノイズで聴きにくくなる。


• ラジオを聴く時はエアコンを消すしかない。


  特にローバンドがノイズが酷い。


• インバーターノイズを止めるのは非常に難しい。

  高周波アース工事に加えて

  室外機や配管のシールドが必要

  インバーターのシールド、配線への

  CMC挿入、アースの設置も必要。

  対応は大変だが効果が出るか不透明

  分解等で室外機が壊れるリスクもあり。


  数年我慢してエアコンを東芝に買い替える

  のが得策か。


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4.スイッチング電源を使わない


• スイッチング電源はコモンモードノイズを出す


 最近のACアダプタはほぼ全てがスイッチング

 電源(半導体を使って交流から直流に変換)。

 ラジオをアダプタに近づけると盛大にノイズを発している。

 AC電源側にもノイズが流れ出て、同じ電源に

 繋がっている他のラジオでもノイズが増える。


• どうしても使う時はラジオと電源系統を変えてノイズフィルターを付ける


 出来るだけラジオとスイッチング電源からの物理的距離と、AC電源ラインの距離を取る。

 出来ればスイッチング電源とACコンセントの間にノイズフィルターを入れてスイッチングノイズを軽減する。


• トランス式のアダプタを使う(ただし入手困難)


 トランス式のACアダプタは重く高価。

 ヤフオクやメルカリにたまに出品される。

 コネクタのサイズに注意(外径5.5mm

    内径2.1mmがBCL機器では標準的。)


・トランス式のアダプタだと正常に稼働しない機器も有り。


 電圧が12Vだったらトランス式の安定化電源を使うとよい。

 ダイヤモンド GSS500 5Aトランス型安定化電源がお勧め


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5.コトヴェールのノイズフィルター


・コモンモードノイズの流入を徹底的に抑える。


・コモンモードノイズの流出も徹底的に抑える。


・販売終了で入手困難(現在はAmazonで販売されている。時々ヤフオクやメルカリで出品有り)。


・高価だがノイズ抑制効果高くお勧め。



・5Aまでしか流せないのでトランシーバー等の接続が出来ない事があるので注意。



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コトヴェール以外でも、大進無線のDCK-35L3W(コモンモードチョーク)もノイズ削減効果がある。これをシャックの電源の入り口に挿入したら、ペルセウスのノイズフロアが10dB(-120dB→-130dB)も減った。価格も6000円程度でコトヴェールよりも少し安い。電流も12Aまで流せるのでトランシーバー等も使える。

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6.出来るだけ高品質の同軸ケーブル


・アンテナを外してノイズフロアを確認。ノイズフロアが高い場合、大抵は同軸ケーブルの不具合が有る。


・同軸ケーブルを触ってみてノイズの変化を確認。ノイズが増えたら、その同軸ケーブルに不具合が有る可能性がある。


・不良同軸ケーブルが有れば交換する。

 意外に同軸ケーブルの不具合でノイズに悩んでいる人が多いので必ずチェックして下さい。


・極力品質の高い同軸ケーブルで接続する。


 機材間の接続なら、短波帯では減衰が少ないので細く柔軟性に富んだ1.5D2Vがお勧め。


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7.クランプコア(フェライトコアパッチンコア)を使う


・配線をコアの中を数ターンさせると高い効果。

 3ターン以上巻くと良い。パチンと閉じないと効果が出ないので注意。


・TDKから出ているフェライトコアの信頼性と効果が高いと言われる。


・ケーブルの太さに合わせて各種サイズのクランプコアを用意しておくといざという時によい。


・高電流が出ているところには設置不可。


・コモンモードチョークフィルター(フェライトコアに配線を巻く)の方がノイズを効果的に除去出来る。


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8.ノイズキャンセラーの導入


・ノイズアンテナを作ることが非常に難しい。


 理論的にはノイズだけを受信するアンテナが用意出来ないとノイズを除去できない。

 遠隔地からのノイズ到来の場合ノイズだけを捉えるアンテナの準備は困難。

 上手くノイズアンテナが用意出来ても周波数が変わると別のノイズ源への対応が必要になる。


・調整が非常に難しい。


 周波数を変える都度にノイズアンテナのゲインと受信アンテナのゲインを上手く調整し、フェーズを調整して、双方を打ち消し合う必要がある。非常に煩雑。


・高価


 新品だと約5万円(MFJ1026)と高価。

 オークションで時々出るが3万円ぐらいになる。

 

・YouLoop(NCPL)自体がノイズキャンセラー的な動作をしているので、あえて導入していない。


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9. PCノイズ対策は重要


・ノイズフィルターをACアダプタ(スイッチング

 電源)とコンセントの間に挿入


 ACアダプタ(スイッチング電源)とコンセントの

 間にコトヴェールのノイズフィルターを導入

 して、ACコンセント側へのスイッチングノイズ

 の混入を防ぐ。


・コモンモードチョークフィルターをPC側に設置


 PC側のUSBケーブルにフェライトコア

 を2つ繋げたフィルターを用意して、

 USBケーブルを巻き付けて、USBケーブルから

 のスイッチングノイズの放射を抑える。


・ACアダプタの電流の入口と出口から

    スイッチング電源のノイズを封じ込め


・ローバンドのノイズが大幅に減少


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以上


出所


村田製作所ホームページ 

 ノイズ対策 基礎講座【第1部】第2章 電磁ノイズが発生するしくみ 

 ノイズ対策の基礎 【第6回】 コモンモードチョークコイル


中波&短波ローバンド用YouLoopの製作(原口忠 著 RFワールド No.56)



   

シャック内の配線を調べていたら、電灯のACアダプタがスイッチング

電源で、ポータブルラジオで短波帯に設定して、アダプタ回りを確認すると、

盛大なノイズを発していました。
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アダプタを取り外したところ、短波帯のノイズが減りました。

そこで、パッチンコアで電源回りを対策して、さらにACアダプタの

周りをアルミホイルで遮蔽しました。
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これで接続したところ、ノイズはほとんど感じられなくなりました。

通常の受信では、気づかないノイズも、ポータブルラジオを持って回ると

意外に室内にノイズ源があることが分かります。

外来ノイズ対策も大切ですが、足元のノイズ対策も、した方が良いですね。

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